【FILM LOVER'S STORY】三葉堂寫眞機店 (後編)

2018年2月18日にオープン1周年を迎える三葉堂寫眞機店。

場所は東京・日暮里。クラシックカメラを扱う中古カメラ屋さんです。 

フィルム写真を楽しむ人を増やしたい。そんな思いでお店を作られた

店主の稲田さん、広報の松田さん、修理士の佐藤さんの3人にお話を聞いてきました。 

左から、松田さん・佐藤さん・稲田さん


お店をつくることになったきっかけを教えてください。

 

稲田:まずTwitterで「フィルムカメラで撮ってる人」って認識されて、そこからつながりが

   できていったんだけど、「フィルム始めたいんだけどどうしたらいい?」とか

   「カメラ買いたいけどわかんないから買うの手伝って」とか言われて付き添うことが

   あまりにも多かったんですよ。そのうちに、フィルムとかカメラとかよくわからない人が

   気軽に行けるお店が欲しいなって思ったんです。欲しいならやったほうが早かった。

   企画してから開店するまで1年弱...くらい? 


松田:いやよくやったよね!?元々酒屋さんだった今の場所を、自分たちで少しずつ改装しながら

   お店を作っていきました。最初のうちはお客さんこなくてどうしよう...大丈夫かな...って

   思うこともあったけど、いろんな人の助けがあって、今もこうしてやってこれてます。




 「三葉堂寫眞機店」という名前に込められた意味はありますか? 


稲田:これねー、めっちゃ悩んで...(当時構想を書き溜めていたメモ帳を取り出して) 

   HPとかターゲット層とか書いてあるっ。(笑) 


松田:うっわ!それ今みるとすっごい恥ずかしいやつ!!(笑) 

稲田:最初は横文字にしようと考えてたんですよ。カメラ関連のキーワードをアレンジして

   使えないかなって思って。でも覚えにくいし、しっくりこなくて。

   3人だから3をつけて...ドイツ語とかフランス語とかにして考えてみたけど、

   やっぱり覚えにくいからやめて。


松田:僕らまだ青くて下っ端だし、これから頑張るよっていう意味もこめて、出たての

   葉っぱのイメージで「みつば(三葉)」にしたんです。「写真」を旧字(寫眞)にしたい!

   っていうのは稲田のこだわり。


稲田:フィルムカメラばっかりだから、レトロやアンティークなにおいをつけたくて

   そうしたんだけど...でもみんなに「読めない」とか「書けない」とか言われてね...。


松田:ほんと、手書きの伝票とか書くときちょっと恨むよ(笑)

   あとは「三葉」を「みつば」って読んでもらえなくて、「さんようどう」だと思われてる。


稲田:ね...。「ツ」がないからね...。「みつばどう」です!あとカメラ店じゃなくて「寫眞機店」!

   「三葉堂寫眞機店(みつばどうしゃしんきてん)」ですっ!!




お店を始めて1年経ちますが、いかがですか?


稲田:思っていたよりフィルムで写真を撮りたい人は多いなっていう印象です。

   ワークショップをやっても参加してくれるのは若いお客さんが多いし、

   写真全然やったことないけど興味はある、っていう人が集まるんですよ。

   「あそこに行ったら何か教えてくれるらしいよ」っていう場所になりたいですね。

   初心者さんが多いのでマニアックなカメラはあまり売れないんだけど(笑)

松田:そうですねぇ...。メルカリ、ヤフオクでカメラを手に入れて、使えるかどうか見てもらいに

   くるお客さんが多いかな?あとはそれこそおじいちゃんちからカメラが出てきた!とか。

   修理や整備は1年間でファイルが3冊分になるくらい...だから...けっこうな量だね。


佐藤:うん、そうだね。細かいクリーニングとかも合わせるともっとだし。


稲田:直せるものは直したいし、うちで直せないと判断したものは、外注修理として

   他の修理師さんに頼んだりもします。うちは駆け込み寺のような、窓口の役割になりたい

   と思っているので、そんなふうに使ってもらえていたら嬉しいです。


実際、このインタビュー中にもカメラのネジが外れてしまって...見て下さい...。
という駆け込みのお客さんがいらっしゃいました。




2年目、どんなことをしていきたいですか? 


松田:ギャラリーをもっと活用したいですね。写真屋さんで働いていたときの経験から、

   プリントしたり飾ったり、撮ったあとの楽しさも感じてもらいたいという思いがあります。

   去年の後半からのワークショップでは、撮影会をしたあと展示もするっていう企画を

   やってみたんです。それが結構好評だったので、写真を撮るだけではなく、

   形にする(飾ったり、写真雑貨を作ったりする)ようなワークショップに力を入れたいです。


稲田:ギャラリーはレンタルもできるんですよ。写真展をやることで話ができたり、

   つながりができたりするので、ぜひ写真展もやってもらいたいですね。

ギャラリーレンタル概要はこちら


稲田:あとは土日祝はたくさんのお客さんにご来店いただいてるために、お待たせしてしまう時間が

   あったりするので、そこをもっと円滑になるように改善していきたいです...。

   それから、やりたくてもできていないのがオンラインショップ。地方にお住まいの方からの

   リクエストはすごく多いんです。でもお店のコンセプトとしては、売って終わりじゃなくて

   操作方法まできちんと伝えられる環境をつくりたいと思っているので、そこがなかなか

   難しいんですよね。やりたいけどできていないことの1つ。できたらいいな...。




こういうお店が増えたらいいなぁって思うんですけど、

いつかお店をやりたい!と思っている人にメッセージや伝えたいことはありますか?


松田:えっ!?.........大変だよぉ〜!?やめといたほうがいいよぉ〜!!(笑) 


 (全員爆笑)

 佐藤さんも同感ですか? 


佐藤:うーん、まあ、大変だっていうのは知ってたからねぇ。(笑) 


稲田:「お店やろうと思うんです」って話をしたとき、やっぱり僕も先輩から

   「儲からないぞ!やめとけ!」って言われたんですよ。(笑) でも需要はあるから大丈夫だと

   思って踏み切りました。フィルムカメラを使うユーザーを増やすっていう目的が

   揺らがなかったし、そこに行くしかない!と思われる店にしたかったんです。

   カメラ屋さん自体は、カメラをいっぱい集めなくてもできます。それよりも、

   ターゲット層を絞ったりコンセプトを持つことのほうが大事かな?どういう人に

   来てもらいたいかイメージを膨らませて、来やすいような商品を選んだり、店内を整えたり。

   あとは結構みんなが助けてくれます。カメラと直接関係がなかったり、売っていたりする

   わけじゃないけど、「カメラを愛する人たち」って意外といるんですよね。アクセサリーや

   バッグを作っている人とか...。そういう横のつながりを探すと、意外な出会いがあるし、

   みんな協力してくれますよ。

たくさんの人の関わりが伺える店内




では最後に、この記事を読んでいる方たちに一言!


稲田:フィルムカメラ、見た目は難しそうだけど、意外と簡単だから、固く考えずに

   みんな触りにきてね!


楽しいお話、ありがとうございました!

変顔をリクエストしたらこうなりました。


【1周年記念イベント開催!】


カメラ・レンズに限り10%OFF!!

2018年2月16日(金)〜2月18日(日)の3日間


ポラロイドカメラ SX-70ワークショップ 

2018年2月25日(日)11:00〜17:00

参加申し込みはこちらから *応募多数の場合は抽選になります

ポラロイドカメラの修理受付・販売も行います!



三葉堂寫眞機店

〒116-0014 東京都荒川区東日暮里5-32-6

Email : info@mitsubado.com

Tel /Fax: 03-6884-4943

OPEN : 11:00〜19:00

CLOSE : 水・木曜日

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